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No.4 盛岡市中央公民館に南部家伝来の衣装を訪ね 1999.08.21 11:53
 袖・裾がボタンで取り外し可能な
 フレキシブル合羽など。
 

夏休み、実家の岩手に帰り盛岡市に「盛岡市中央公民館」を
訪ねました。

“公民館”とは言え、元は南部家の別邸とのことで広い庭園が
素晴らしく、落ち着いた和室での披露宴等会合も可能。
「郷土資料展示室」では、南部家伝来の品の展示/収蔵が
なされています。

常設展における衣装展示は数少なく、大半は収蔵されたまま
ですが、写真と解説をおさめた図録が非常に充実しています。

特別展、企画展等で衣装展示の可能性があるとのことで、
今後期待したいところです。






「南部家伝来衣装図録」(\4,000 盛岡市中央公民館発行)



以下、図録より注目の衣装を何点かご紹介。

深みのある赤のウール地で金の縁取り。
袖と裾がボタンにより取り外し可能なフレキシブルタイプ。
前衿も折り返して陣羽織風。合わせてセミダブルトレンチ風と
まさに「合羽」スタイル。
地の赤と、縁の金のシンプルな2色使いですが、
取り外し可能部分のカット、縁取りがアクセントとなり
洗練感が際だちます。

非常に刺激的なデザイン、現代に復活昇華させたいスタイルです。





右 「猩々緋羅紗合羽(しょうじょうひらしゃかっぱ)」







右 「猩々緋羅紗合羽(しょうじょうひらしゃかっぱ)」
   袖、裾取り外し。前衿合わせ時。         


 
 
打毬(だきゅう)衣装。
騎馬打毬は現代のポロ競技のスタイル。
南部地方は名馬の産地としても有名。
上衣には南部家の家紋「向い鶴」が金糸で織り込まれた
錦織物。
中国風の立ち襟デザインで衿合わせが新鮮。
穿きやすそうなズボン風袴に注目。





「赤地御紋散錦打毬衣装(あかじごもんちらしにしきだきゅういしょう)」


 
 
盛岡市中央公民館 郷土資料展示室 副主幹兼学芸係長の
高橋 清明さんにお話しを伺いました。





右 高橋 清明さん


 
 
「南部家伝来衣装図録」の編纂、調査報告書のとりまとめをされた
岩手県立盛岡短期大学教授(平成2年当時)
平山 貞さんにもお話しを伺うことが出来ました。





右 平山 貞さん


 
 
刺激的な衣装、造詣深い高橋さん、平山さんお二人の先生との
縁に恵まれ充実の夏休み、盛岡探訪でした。
お二人には素晴らしいお話し、あらためて御礼申し上げます。


「盛岡市中央公民館」
 〒020
 岩手県盛岡市愛宕町14-1
 TEL 019-654-5366

                        


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  :1999年 5月10日   更 :1999年 5月10日


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