夏休み、実家の岩手に帰り盛岡市に「盛岡市中央公民館」を
訪ねました。
“公民館”とは言え、元は南部家の別邸とのことで広い庭園が
素晴らしく、落ち着いた和室での披露宴等会合も可能。
「郷土資料展示室」では、南部家伝来の品の展示/収蔵が
なされています。
常設展における衣装展示は数少なく、大半は収蔵されたまま
ですが、写真と解説をおさめた図録が非常に充実しています。
特別展、企画展等で衣装展示の可能性があるとのことで、
今後期待したいところです。
「南部家伝来衣装図録」(\4,000 盛岡市中央公民館発行)
以下、図録より注目の衣装を何点かご紹介。
深みのある赤のウール地で金の縁取り。
袖と裾がボタンにより取り外し可能なフレキシブルタイプ。
前衿も折り返して陣羽織風。合わせてセミダブルトレンチ風と
まさに「合羽」スタイル。
地の赤と、縁の金のシンプルな2色使いですが、
取り外し可能部分のカット、縁取りがアクセントとなり
洗練感が際だちます。
非常に刺激的なデザイン、現代に復活昇華させたいスタイルです。
右 「猩々緋羅紗合羽(しょうじょうひらしゃかっぱ)」
右 「猩々緋羅紗合羽(しょうじょうひらしゃかっぱ)」
袖、裾取り外し。前衿合わせ時。
打毬(だきゅう)衣装。
騎馬打毬は現代のポロ競技のスタイル。
南部地方は名馬の産地としても有名。
上衣には南部家の家紋「向い鶴」が金糸で織り込まれた
錦織物。
中国風の立ち襟デザインで衿合わせが新鮮。
穿きやすそうなズボン風袴に注目。
「赤地御紋散錦打毬衣装(あかじごもんちらしにしきだきゅういしょう)」
盛岡市中央公民館 郷土資料展示室 副主幹兼学芸係長の
高橋 清明さんにお話しを伺いました。
右 高橋 清明さん
「南部家伝来衣装図録」の編纂、調査報告書のとりまとめをされた
岩手県立盛岡短期大学教授(平成2年当時)
平山 貞さんにもお話しを伺うことが出来ました。
右 平山 貞さん
刺激的な衣装、造詣深い高橋さん、平山さんお二人の先生との
縁に恵まれ充実の夏休み、盛岡探訪でした。
お二人には素晴らしいお話し、あらためて御礼申し上げます。
「盛岡市中央公民館」
〒020
岩手県盛岡市愛宕町14-1
TEL 019-654-5366
|