「男のきもの・織のきもの−大人の男のきもの談義

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No.40 長根英樹   2000.10.11 11:47 
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メールマガジン - No.0014 -2000.10.10 号
 1 秋はじめの袷(あわせ)
 

 ◆◇ 御召 ◆ 紬 ◇ 着尺 ◆ 羽織 ◇ 袴 ◆ 帯 ◇◆
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       【男のきもの】製品・価格・着こなし紹介

        2000.10.10 No.0014  配信数:0334  
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≪≪目次≫≫

 1 秋はじめの袷(あわせ)
 2 その他

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 1 秋はじめの袷(あわせ)

 こちら米沢は10月に入りすっかりと秋の気配。
 週末の河原では風物詩の芋煮会を楽しむグループの姿がみられます。

 例年、秋にはじめて袷のきものに袖を通す際には、長い冬を迎える
 −いよいよと身構える様な緊張感−と共に、あれこれとアイテムが
 増えお洒落の楽しみが増えるなという−わくわくとする高揚感−を
 覚えます。

 盛夏、単衣の軽やかなきもの姿とは別に、裏地をつけて仕立てた袷
 のきものはシッカリとした着用感、表地と裏地のコーディネイトの
 楽しみ等が大きな魅力です。

               ◇

 一口に袷のきものといっても様々な素材のものがありますが、やは
 り秋はじめの袷としては、スッキリとした糸使いのきものが気分に
 マッチして心地よく着られます。

 糸使いの違いによる紬、織物の種類、表情魅力については、バック
 ナンバーの9号をご参照いただきたいところですが、繭を煮て薄く
 フェルト状に伸ばした真綿(まわた)から引いた真綿紬糸は暖かみ
 のあるふっくらとした表情が魅力となりますので、秋はじめよりは
 もう少し先の寒さ本番の季節に持ち味がいきると思います。

 一方、繭のままの状態から糸を引いた生糸、玉糸(座繰り糸)は、
 (玉糸の場合はところどころに節が見られるものの、)絡み合いの
 ない絹ならではの長繊維の糸質がストレートに表現され、艶やかな
 光沢のあるスッキリとした表情が魅力です。


 ここで、真綿紬糸を用いた紬でも一部の糸に絹糸を織り込んだ織物
 もあり、こういったものは光沢感があり大分スッキリと洗練された
 表情になりますので、秋はじめの袷にも馴染むものと思います。

 紬以外にも、絹糸使いの糸織(いとおり)もの、御召などは、冬も
 含めて袷の季節を通して活躍するきものですが、秋はじめの気分に
 見合う織物と思います。


 私はこの時季、大島、節糸織(座繰り玉紬)、御召などを着用して
 秋の気分を楽しんでいます。

               ◇

 バックナンバー No.0009(2000.02.29)号 
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 2 その他
 
 「秋大島に春紬」という言葉にもみられる様に、秋には大島の様な
 スッキリとした表情のきものを着て、春(新春、冬の寒い時季)に
 結城紬の様なふっくらと暖かみのあるきものを着るという、季節に
 応じた着分け、素材の微妙な持ち味を楽しむ装いの文化は、先人の
 繊細な感性とつくり手の技の蓄積が生んだもので、きものの奥深い
 魅力の大きな構成要素であると思います。

 日本ならではの季節感、あるいは美意識、風習に根ざした装いとし
 て時代々々に洗練を高めてきたきもの。

 きものを単にその形や素材の面で捉えるのではなく、こころの部分
 も含めて味わい、魅力を探っていきたいものだと考えています。


 先人の蓄積。洒落心や美意識といった面はかしこまった文章よりも
 口伝えで伝わる部分が多く、今後はこの伝承が非常に難しくなって
 いくものと思います。

 きものごころ伝承最後の時代、ユーザー、流通、つくり手の立場を
 越え、互いに虚心な気持ちで識者の話に耳を傾け交流を深めていき
 たいものだと考えているところです。

 今後ともよろしくお願い申し上げます。


 みなさんからご意見、ご感想をいただければ幸いに存じます。 


                   きもの村 村長 長根 英樹

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秋はじめの袷〜大島のお対で  会津若松市 鶴ヶ城にて

 
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  :1999年10月 1日   更 :2002年10月 1日


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