「男のきもの・織のきもの−大人の男のきもの談義

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No.56 長根英樹   2004.01.23 16:00 
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メールマガジン - No.0028 -2004.01.23 号
 1 ダンディズム 〜 着姿の説得力
 

  
 ◆ ◇ ◆ 【男のきもの】 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
 ――――――――――――――――――― スロークロージング ―

            きものダンディズム

 ――――――――― 2004.01.23 No.0028  配信数:0296 ―
 ◆ ◇ ◆ きもの村  http:// www.kimono.gr.jp/ ◆ ◇ ◆


≪≪目次≫≫

 1 ダンディズム 〜 着姿の説得力
 2 その他

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 1 ダンディズム 〜 着姿の説得力

 先日、隣町の和裁士の受賞祝賀会に招かれ出席をしてきました。
 長年積み重ねてきた技能が国から高く評価されての大きな賞の受賞
 で、遠くは九州からも和裁士仲間がお祝いに駆けつけ、きもの姿の
 多い華やかな会合となりました。

 せっかくのお目出たい会合ですが、気になったのが主賓として出席
 をしていた和裁士会幹部の装いでした。
 席次の面からもスピーチ順からもVIPとしての招待、出席であり
 ながら、紬の簡易羽織に紬の長着、同じく紬着尺地で仕立てたと思
 われる(襞に腰のない)簡易袴のコーディネイト。
 羽織に一つ簡易な紋が付いていたとはいえ、場に相応しいソーシャ
 ル(社会的)な装いには見えず、道中着、旅装といった印象を持ち
 ました。

 きもの好きのユーザーから、
  「きもの屋自体がきものを着ていない」
  「そうした人にきものが良い、きもの文化が素晴らしいと言われ
   ても説得力がない」
 といった指摘を多く聞くところですが、きもの流通やきもの製造の
 現場に限らず、きもの仕立ての世界でも同じ実態がある様に感ずる
 ところです。

 スーツを良く着ない仕立て人にオーダーを頼もうとは思わないのと
 同様に、きものを良く着ない、自ら装う立場で頓着しない和裁士に、
 着る人のこだわりや美意識を勘案した技、気配りを期待すべくもな
 く、資格があろうと、役職があろうと、受賞があろうと、きものの
 仕立てを頼もうと思う人はいないものと思います。

 きものを着ること、また単に着るだけではなく、如何に装いによっ
 て的確なメッセージを伝えることが出来るかが、(きものを単なる
 商売の道具として捉えているのではない)きもの業界人にとって、
 今もっとも大切なことではないかと感じました。
 特に、各所各分野でリーダーの立場にある場合には尚更で、最大の
 プレゼンテーション、説得力は自らの着姿にあるとの自覚と、他者
 からの視線、期待を認識する必要があると思います。

               ◇

 私自身は、紋付き御召の長羽織に御召の長着、縞平袴地を用いたダ
 ンディ袴(現代括り袴、野袴)のコーディネイトでした。

 私が主賓の装いをプロデュースするならば、染め抜き紋の色紋付き
 お対に絹平袴、あるいは御召袴のコーディネイトをご提案したいと
 思います。

 まずは基礎的なドレスコードを踏まえた場に相応しいコーディネイ
 トを整えることが説得力の第一歩であり、最初の会話を成立させる
 鍵になるものと思います。

 着姿によって強いインプレッション(好印象)を与え、惹きつける
 様な求心力を伴った魅力を表現するには、単なる“コーディネイト”
 の枠を越えた非常に高度な装い術と精神性を兼ね備えることが重要
 で、それ故に「ダンディズム」を極める道は各人各様で奥深いもの
 と思います。

 こうした「ダンディズム」を追求する皆さんと、大人の男としての
 お話しを進めていければ幸いに存じます。 

               ◇

 【参考】
  ■ 縞平袴地を用いた「ダンディ袴」
http:// www.kimono.gr.jp/ mens/ lineup/ 1_index.html
 
 
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 2 その他

 こちら米沢は、お正月こそ暖かくおだやかな天候で迎えたものの、
 その後は例年通り、雪、雪、雪で、すっかり白い世界になっていま
 す。
 冬が厳しい分だけ春の喜びが大きく深くなるということは分かって
 いるつもりなのですが、いざ一番つらい状況になると、次なる春の
 ステージを前向きに考えることが難しくなってしまいます。

 もしかしたら、日本も(そして世界も)同じ様な状況にあるのかも
 しれません。

 日本が長年に渡って蓄積してきた日本人の心、和の心、和の価値観
 の真髄を見つめ直し、現代への昇華を考えるとき、新たな国づくり、
 世界平和の道が見えてくる様に思います。


 私は、きものを身に着けるという実生活に根ざした形で先人の蓄積、
 和の心を見つめ直す機会を得ることが出来ました。
 和の心の素晴らしさとしては、人と人との繋がりを大切にする点、
 自然との親和性を大切にする点が挙げられると思います。

 こうした和の心、和の文化について考えをまとめました。
 政治的な面もありますが、よろしければご覧いただきたく。

 【参考】
  ■ 和の心による国づくり
http:// nagane.kimono.gr.jp/ hideki/ messages/ 26_title_msg.html

 今後ともよろしくお願い申し上げます。


 みなさんからご意見、ご感想をいただければ幸いに存じます。


                   きもの村 村長 長根 英樹

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