「男のきもの・織のきもの−大人の男のきもの談義

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No.47 長根英樹   2001.05.08 17:35 
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メールマガジン - No.0019 -2001.05.08 号
 1 夏袴の凛 ― 男の透け素材
 

 ◆◇ 御召 ◆ 紬 ◇ 着尺 ◆ 羽織 ◇ 袴 ◆ 帯 ◇◆
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       【男のきもの】製品・価格・着こなし紹介

        2001.05.08 No.0019  配信数:0342  
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 ◆ ◇ ◆ きもの村 http:// www.kimono.gr.jp/ ◆ ◇ ◆


≪≪目次≫≫

 1 夏袴の凛 ― 男の透け素材
 2 その他

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 1 夏袴の凛 ― 男の透け素材

 こちら米沢は、雪国の遅い桜、春の息吹を満喫するお祭りも終わり、
 いよいよ新緑の頃となりました。
 今号ではこれからの暑い季節に向けて、夏の装い、奥深い着道楽の
 こだわりについてご案内したいと思います。

               ◇

 男のきもの夏の装いは、殊更洋装スーツスタイルとの違いが際立ち、
 きものならではの素材の楽しみ、醍醐味が味わえる装いになるもの
 と思います。

 蒸し暑い日本の夏、この気候に合わせ我が国では、男のきものでも
 シースルーの透ける素材が工夫され、用いられてきました。
 アジア、中東においては見られますが、ヨーロッパでは男性の装い
 の中でシースルー素材が用いられる例は、ほとんど見受けられない
 ものと思います。

 スーツスタイルでは難しいシースルーの素材使いも、きものを装う
 ことによって堂々と楽しむことが出来、尚かつ日本紳士の美意識、
 色気、ある種の華やかさ、凛を実感することが出来ます。

 
 羅(ら)、紗(しゃ)、絽(ろ)、粋紗(すいしゃ)など、様々な
 透け素材、織物がありますが、かつてのダンディ達はこれを巧みに
 セレクトしてトータルでのコーディネイトを楽しみ、その完成度、
 オリジナリティをそれぞれに追究して来ました。

 透ける羽織を合わせることで、着姿に風格と涼感、男の色気の様な
 ものが演出されます。

 また、あらためて見直したいアイテムとして夏袴があげられます。
 昨今では、稽古事でよくきものをお召しになる方々の間でも、夏の
 袴を用意されないことが多い様にも聞きますが、やはり大いに季節
 感を味わい、暑い夏を積極的に楽しむ意味でも、夏袴の魅力に注目
 をいただきたいものだと思います。

               ◇

 夏袴にも様々な織物素材の種類がありますが、やはり透ける涼感と
 ともにピシッと襞目の通る張り、腰の強さが、柔らかな印象のある
 女性の透け素材との大きな違いになると思います。

 夏袴といえば、絽袴が一般的となりますが、同じ絽でも横に透ける
 ライン(絽目:ろめ)が通る横絽(よころ)もあれば、縦に絽目が
 通る竪絽(たてろ)もあります。

 絽目の間隔、その規則性にも様々なバリエーションがありますし、
 糸の撚(より)具合や織り設計によっても張りなどの生地風合いが
 異なってきます。
 凝った逸品の中には、織のベース部分を紋織りにした紋絽(もんろ)
 などもあり、着道楽の奥は深まります。

 他に、紗袴や紋紗袴、無双織りになった紗無双袴などもありますが、
 これらは近年の着用人口、需要の減少により定番から外れ、別注品
 になってきている状況があります。


 米沢は、全国の袴生産量の9割以上を占める(米織組合調べ)袴の
 生産地で、夏袴のバリエーションも豊富です。

 袴は礼装用途の縞柄のものに限らず、外出(お出かけ)用には無地
 などの夏袴もあります。
 私は、馬乗り型に仕立てたものの他に、裾をスリムにした野袴スタ
 イルでも仕立てて揃えており、足捌きが容易で動き易い夏袴として
 愛用をしています。


 夏袴も、長着・羽織・帯等とのトータルコーディネイトで、微妙な
 色目やテイストにこだわりたいという方には、アイテムの面でも、
 季節素材の面でも、糸使い(御召/紬)の面でもセレクトの可能な
 総合メーカー「鈴源織物」のラインナップをご覧になられることを
 お勧めいたします。


 この夏は日本ならではの季節素材を身に纏い、奥深いきものの魅力
 を存分にお楽しみいただきたくご案内申し上げます。

               ◇

 【参考】
  夏の略礼装一揃い 横絽紋袴馬乗り仕立て
   http:// www.omn.ne.jp/ ~suzugen/ men/ 02a153-aoi.html


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 2 その他
 
 今年米沢は、秋に山形県と米沢市の合築による新文化施設(博物館
 &ホール)がオープンし、また上杉氏入部400年と上杉鷹山公の
 生誕250年の節目と重なることもあって、年間を通して記念事業
 「上杉鷹山生誕250年祭」が開催されています。

 メインイベントは、秋の新文化施設の開館と合わせた「YOZAN
 フェスティバル」で、9月29日〜10月21日までの開催となり
 ます。

 米沢織りの魅力についてはもちろんのこと、地域の様々な文化産業
 についてのプレゼンテーションがありますので、是非とも秋の味覚、
 温泉とともに米沢・置賜地域の魅力を味わいにお立ち寄りいただき
 たくご案内いたします。

 今後ともよろしくお願い申し上げます。


 みなさんからご意見、ご感想をいただければ幸いに存じます。


                   きもの村 村長 長根 英樹

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  発行責任者 きもの村 村長 長根 英樹 NAGANE HIDEKI   

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  :1999年10月 1日   更 :2002年10月 1日


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