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≪≪目次≫≫
1 「美しいキモノ - 夏号」にてコーディネイト紹介
2 その他
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1 「美しいキモノ - 夏号」にてコーディネイト紹介
先日発売の雑誌「美しいキモノ−夏号」(アシェット婦人画報社刊)
では、「夏の男もの〜素材と趣を着る」のテーマで男の夏きものの
特集が組まれています。
今回の特集は、日本ならではの多彩な夏素材(織物)に着目をして、
ことさら色や柄、変わりアイテム/小物などで奇をてらうことなく、
“抑制の中の美/贅”といった形で、素材本来の持ち味を活かして
その高度な使い分けを楽しむという正統派の「きものダンディズム」
紹介になっているものと思います。
私も、2月に編集者の米沢訪問を受け、その後打ち合わせや提案等
編集協力を進めてきて、変わり紗羽織、絽角帯の他、竪絽野袴、紋
絽馬乗り袴のトータルコーディネイトを提案しているところです。
(P293, P294, P296, P299)
男のきもの、特に夏場の装いに関しては、ゆかた以外にまとまった
形で紹介される場面が少ない状況にありますので、是非この機会に
誌面をお手にとってご覧いただきたく、ご案内いたします。
◇
ご参考に、今回誌面でご紹介した製品/コーディネイトについて、
以下にご案内をいたします。
■ 紋絽袴コーディネイト(P299 右)
・羽織/長着 「三本駒絽」 :米沢 鈴源織物
・袴 「紋絽袴」 :米沢 鈴源織物
極細の糸に強い撚(より)をかけた駒撚糸(こまよりいと)を
用いて緻密に織り上げた駒絽(こまろ)の羽織と長着、色違い
での組み合わせ。
ベースとなる平織り部分に3本の(3回)緯糸(よこいと)を
通し、その後経糸(たていと)を捩り(もじり:糸を2本対で
交差させることにより透け目をつくる手法)絽目を通すことを
繰り返した三本絽(さんぼんろ)。
強撚の駒撚糸を密度高く織り上げていることで、女性のフォー
マル素材として用いられる平絽(ひらろ)などと違い、薄く透
ける盛夏の素材ながらしっかりとした張りと着心地が味わえる
地風が特徴の、男きもの(男織物)とでも表現したくなる趣と
なっています。
青系統の羽織と長着にあわせた落ち着いた鼠色の袴は、非常に
凝った織り技が際立つ訪問袴で、ベースとなる地織(じおり)
部分が平織りではなく梨地の紋織りとなっています。
加えて、1回捩って1本(1回)緯糸を通し、更に続けて捩る
ことで2本揃いの絽目を通した変わり紋絽(もんろ)となって
います。
絽の縞袴をあわせた格式高いフォーマルスタイルとは別の価値
観で、素材&技の贅を愉しむ男の訪問着としてのフルコーディ
ネイトとなります。
■ 竪絽袴コーディネイト(P299 左)
・羽織 「駒紗 葵」 :米沢 鈴源織物
・長着 「座繰り粋紗」:米沢 鈴源織物
・角帯 「絽角帯」 :米沢 鈴源織物
・袴 「竪絽袴」 :米沢 鈴源織物
上記駒撚糸を用いて、絽と違い一段毎に捩りを繰り返し全体に
透け味を表現した本紗織物、駒紗(こましゃ)の鼠色羽織。
長着は、中繭(なかまゆ:通常のきれいな繭)を機械引きでは
なく、湯で煮て柔らかくなったところを手で繰り引いた座繰り
糸(ざぐりいと)を用いて織り上げた粋紗(すいしゃ)織物。
機械引きと違って、手技で自然に引かれた座繰り糸は、過度な
張力がかかることなく糸に余力の感じられるニュアンスがあり、
また所々に自然な糸の繋ぎ目による微妙な節(玉糸による紬の
節とは違い、かなり控えめです)が見られ趣を醸し出します。
粋紗は、糸に強い撚をかけて(粗めに)織り上げ、仕上げ段階
(整理工程)にて湯に通し撚を戻すことによって自然の隙間を
表現する夏織物です。
夏御召、夏結城、夏大島、明石縮など、捩りを用いない夏織物
の代表的な織り技法となります。
誌面では、濃い色無地に見える長着ですが、黒地に白の微塵縞
(みじんじま)を通したもので、襦袢の透け具合とともに涼感
が際立つ夏の黒きものです。
モノトーンの羽織と長着にあわせた袴は、夏の空海をイメージ
させるブルーと大胆に縦方向に通した絽目が凛とした爽やかさ
で全体のコーディネイトにアクセントをつけます。
撚糸を密度高く織り上げることで、涼感溢れる透け味を表現し
ながらも張りとコシをもった地風が生まれています。
襞(ひだ)の折り込みはたっぷりと取りつつ、裾をスリムにし
ズボン調に仕上げた野袴(のばかま)のオリジナルデザインは、
現代の生活空間やリズムにあった袴形(はかまなり)の流儀と
美を演出します。
■ 変わり紗羽織(P293)
・羽織 「夏物語」 :米沢 鈴源織物
誌面では色の判別が難しいかもしれませんが、濃緑をベースに
芥子色(からしいろ)と牡丹色(ぼたんいろ)の色糸を用いて
“夏の玉虫”を表現した趣豊かな夏羽織です。
高度な捩り織りによって、複雑な透き間を立体的な形で表した
変わり紗織物、だんご紗。
端正で落ち着いた表情の上記本紗(駒紗)とは別の趣を持ち、
凝った洒落味が感じられます。
あらたまり過ぎないで、替え上着ならぬ替え羽織といった感覚
で夏の羽織姿を愉しむ着道楽な通人にお薦めの逸品です。
■ 絽角帯(P294 右, P296 右)
・角帯 「絽角帯」 :米沢 鈴源織物
大胆な絽目が通った、単衣/盛夏時季の角帯ですが、しっかり
とした織り味が特徴で、締め心地に頼りなさはありません。
質実さが魅力の夏角帯です。
◇
【参考】
■ 美しいキモノ:アシェット婦人画報社
http:// www.hfm.co.jp/ magazines/ utsukushiikimono/ new.htm
■ 米沢 鈴源織物 有限会社
http:// www.omn.ne.jp/ ~suzugen/ men/ 02a.html
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2 その他
こちら米沢は、山に様々な緑が自然のグラデーションをおりなして
目を和ませるおだやかな季節となりました。
暑くもなく、寒くもなく、とても気持ちの良いこの時季。
何かふつふつと新たな意欲もわき上がってきます。
この一年、どの様につばさを広げていけるか、可能性に期待がふく
らむ今日この頃です。
◇
さて、ここでウィルスメールについてご案内。
このところ、自分のパソコンデータの中から自動的に他人のメール
アドレスを抽出して、発信元を偽装した形でウィルスメールを送信
する「W32/Klez:通称クレズ」というコンピュータウィルスが
猛威をふるっている様子です。
詳しくは、以下の専門組織のサイトに情報がありますが、
■ 情報処理振興事業協会 セキュリティセンター(IPA/ISEC)
http:// www.ipa.go.jp/ security/ topics/ newvirus/ klez.html
・メールを開いたりプレビューするだけでも感染する可能性がある。
・送信アドレスには、ウィルスの感染により自動的にメール送信が
おこなわれたマシンユーザのアドレスが入ることはほとんどなく、
他者のアドレスが偽装されるため実際の送信者の特定が難しい。
・携帯電話、Macintoshがウィルス感染することはない。
上記の様な特徴があるとのこと。
実際に、私のところにも、私のメールアドレスを発信元に偽装した
メールが届いたり、またそうしたメールを受け取った方から連絡を
いただいたことがありました。(nagane@kimono.gr.jp です。)
私はMacのパソコンを使っておりまして、このウィルスへの感染
可能性はありませんし、送信したこともありませんので、ウィルス
による感染マシンからの自動抽出によって発信元(From 欄)が
偽装されこうした発信がなされたものと思います。
社会に疑心暗鬼を生む悪質陰湿な性格のウィルスですので、専門の
サイト等で正確な情報を把握すること、また冷静に対処をしていく
ことが重要になるものと思います。
◇
ご紹介の「美しいキモノ」誌面をご覧になり、実際に産地米沢にて
男の夏織物、織元の見学をご希望の方は、どうぞメールにてご連絡
ください。
スケジュールを調整の上ご案内をさせていただきたいと思います。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
みなさんからご意見、ご感想をいただければ幸いに存じます。
きもの村 村長 長根 英樹
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発行責任者 きもの村 村長 長根 英樹 NAGANE HIDEKI
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